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大学3年生の秋なのに就活を何もしていない……9月から焦り始めたときに考えたいこと

Job Descriptionと書いてある紙とペン 就活

・大学3年生の9月に「就活を何もしていない」と焦る人もいる
・夏のインターンシップに参加した友達やSNSを見ることで、自分だけ遅れているように感じやすい
・焦りが強くなるほど「全部やらなければ」と考えて、かえって最初の一歩が重くなることがある
・9月からは、周りに追いつくことだけを考えず、「自分が次に知りたいこと」を一つ決めることから始めてみる

大学3年生の9月、「もしかして自分、就活何もしてない?」と急に不安になる

夏休みが終わり、大学へ戻ってきた9月。久しぶりに友達と話していたら、「夏のインターンシップに行ってきた」「この前、企業の人と話した」「秋冬のインターンシップにも応募するつもり」という話が出てきた。

その瞬間、「え、みんなもうそんなに就活してるの?」と急に不安になったことはありませんか?
自分は夏休みに旅行をしたり、アルバイトをしたり、友達と遊んだりしていた。インターンシップには参加していない。自己分析もほとんどしていない。業界研究と言われても、まだ興味のある業界すらよくわからない。

大学3年生になった春には「そろそろ就活かな」と思っていた。でも、気づいたら夏休みが終わっていて、9月になっている。
「もしかして出遅れた?」
「今から始めても遅い?」
そんな焦りが一気に出てくる時期でもあります。

ただし、就職活動の時期や進み方は、卒業年度、業界、企業、職種などによって異なります。政府が示す就職・採用活動の日程はありますが、それとは別に、早い時期から仕事体験やインターンシップなどを実施する企業もあります。まずは自分の卒業年度に関する大学からのお知らせや、関心のある企業の公式情報を確認しておくことが大切です。

9月に就活が急に現実的になるのには理由がある

大学1・2年生の頃は、「就活」という言葉を聞いても、まだ少し先の話に感じていた人も多いと思います。大学3年生になっても、春の時点ではそれほど実感がなかった人もいるでしょう。

ところが夏を越えると、周囲の動きが目に見えるようになります。夏のインターンシップや仕事体験に参加した友達が増えたり、大学からキャリア関連のお知らせが届いたり、SNSで就活情報が流れてきたりします。

すると、それまでぼんやりしていた「就活」が突然、自分の問題として見えてきます。
つまり、9月になって急に不安が出てきたからといって、それまで何も考えていなかったと決めつける必要はありません。周囲から入ってくる情報が増えたことで、就活を意識するきっかけも増えたと考えられます。

心理学では、自分の状態を周りと比べて判断することがある

人は、自分の状態を判断するときに、他者を参考にすることがあります。心理学では、こうした働きを「社会的比較」と呼びます。

例えば、自分一人で夏休みを過ごしているときには「まだ大丈夫かな」と思っていたのに、大学へ戻って友達から「インターンシップに3社参加したよ」と聞いた途端、焦り始めることがあります。
自分の状況は昨日と何も変わっていないのに、比較する相手が現れたことで「自分は遅れている」と感じるわけです。

特に就活は、「どこまで進んでいれば普通なのか」が見えにくいものです。そのため、身近な友達の進み具合が、自分を判断する基準になりやすくなります。

でも、友達が3社のインターンシップに参加したことと、自分の就活が遅れていることは、必ずしも同じではありません。興味のある業界も、応募の時期も、就活の進め方も、大学生活で経験してきたことも、一人ひとり違うからです。

一方で、比較しなくてよいからといって、応募期限などの客観的な情報を確認しなくてよいわけではありません。他人の進み具合と比べることと、自分に必要な日程を確認することは分けて考えましょう。

SNSを見るほど「みんな就活している」ように感じることもある

就活の焦りを強くするものの一つがSNSです。「大学3年の夏にやるべきこと」「就活生なら9月までにこれをやれ」「内定を取る学生の特徴」など、就活に関する情報はたくさんあります。
もちろん、役立つ情報もあります。ただ、それを見続けていると、「自分以外の大学3年生はみんな動いている」という感覚になってしまうことがあります。

でも、SNSで就活について積極的に発信している人は、就活への関心が高い可能性があります。就活について投稿していない人の状況は、SNS上では見えにくいものです。
つまり、自分が目にした情報だけで「大学3年生の普通」を判断すると、実際以上に自分が遅れているように感じることがあります。

SNSの投稿は情報を得るきっかけにはなりますが、応募条件や日程を確認するときは、大学の案内や企業の採用ページなど、公式の情報を見るようにしましょう。

「何もしていない」を一度分解してみる

「自分は就活を何もしていない」と思ったときは、本当にゼロなのか、一度確認してみてください。
大学の就職ガイダンスに一度参加した。気になる会社の名前を調べたことがある。アルバイトを続けている。ゼミで研究している。サークルでイベントを運営した。授業でプレゼンをした。夏休みに海外へ行った。

これらは、そのまま就活の準備が完了していることを意味するわけではありません。でも、自分がどのようなことに興味を持つのか、どのような場面で頑張れるのかを考える材料にはなります。

就活は、就活サイトを開いた瞬間から突然始まるものではありません。それまでの大学生活で経験してきたことも、自分を知り、今後の仕事を考える材料になります。

「何もしていない」とひとくくりにすると焦りが大きくなりますが、「経験はあるけれど、就活に向けてまだ整理していない」と考えると、次にすることが見えやすくなるかもしれません。

焦ったときほど「全部やろう」としない

就活について調べ始めると、やるべきことが大量に出てきます。自己分析、業界研究、企業研究、エントリーシート、Webテスト、面接対策、OB・OG訪問、インターンシップ……。
これを一気に見ると、「こんなにやることがあるの?」と圧倒されてしまいます。

そして、「今まで何もしていないんだから、全部急いでやらなきゃ」と考えてしまう。でも、やることが増えるほど何から始めればよいかわからなくなり、結局スマホで就活情報を見るだけで一日が終わることもあります。

焦っているときほど必要なのは、やみくもに急ぐことではなく、「最初に何をするかを決めること」です。
まずは大学のキャリアセンターなどで、自分の卒業年度の大まかなスケジュールと、直近の締め切りを確認しましょう。そのうえで、今日取り組むことを一つだけ決めてみてください。

最初から「行きたい会社」を決めなくてもいい

就活を始めようとすると、「行きたい業界を決めなきゃ」「志望企業を見つけなきゃ」と思うかもしれません。
でも、まだ社会で働いた経験がほとんどない状態で、最初から自分に合う会社を決めるのは簡単ではありません。

だから、最初は「決める」より「知る」で大丈夫です。
広告に関係する仕事には何があるんだろう。IT企業はどのような仕事をしているんだろう。メーカーと商社は何が違うんだろう。この会社は聞いたことがあるけれど、どのような職種があるんだろう。
こんな疑問を一つずつ調べていくことで、自分の興味の方向が少しずつ見えてきます。

自己分析も「自分の強みは?」から始めなくていい

就活を始めると、すぐに「自己分析をしましょう」と言われます。でも、「あなたの強みは何ですか?」と聞かれても、すぐには答えられない人もいるでしょう。

そんなときは、もっと具体的なところから考えてみてください。
大学生活で一番時間を使ったことは何だったか。アルバイトで意外と楽しかった仕事は何か。逆に、とても負担に感じたことは何か。グループワークではどのような役割になることが多いか。人からよく頼まれることは何か。

最初から「強み」という言葉にまとめるのではなく、まず自分の経験を集めてみる。そこから共通点を探していくほうが、自分について考えやすい場合があります。
自分一人では思い浮かばないときは、友達や家族、大学のキャリア相談担当者などに、自分がどのように見えているかを聞いてみる方法もあります。

夏のインターンシップに行っていない=就活終了ではない

9月に焦っている人の中には、「夏のインターンシップに行かなかった」ことを気にしている人もいるでしょう。
友達が参加した話を聞くと、「自分も行けばよかった」と後悔することもあるかもしれません。

でも、夏のインターンシップに参加していないという事実だけで、就職の可能性がなくなるわけではありません。一方で、企業や業界によって、その後のプログラムや応募の時期は異なります。インターンシップで得た学生情報を一定の条件のもとで採用活動に活用できる制度もあるため、関心のある企業については、今後の予定や応募条件を早めに確認することが大切です。

「夏に行かなかった」という事実は変えられませんが、「では次にどうするか」はこれから決められます。秋以降のインターンシップや仕事体験、説明会などを調べる、大学のキャリアセンターへ行く、興味のある業界を一つ調べるなど、今からできることはあります。

過去の自分を責め続けるよりも、次の選択肢と期限を一つ確認するほうが、これからの行動につながります。

友達の就活状況を聞きすぎなくてもいい

就活を意識し始めると、友達との会話にも就活の話題が増えてきます。「何社応募した?」「インターンシップはどこに行った?」「もうエントリーシートを書いた?」など、お互いの状況を知る機会も増えるでしょう。
情報交換になることもありますが、それを聞くたびに焦ってしまうなら、少し距離を取っても構いません。

就活は、同じ大学、同じ学年でも進み方が違います。毎日周りの進み具合を確認していると、自分の就活ではなく、「友達に追いつくための就活」になってしまうことがあります。

周りとの比較だけではなく、「昨日より自分が一つ知ったか」「次に必要な行動が一つわかったか」を基準にしてみてください。

9月は「答えを出す月」ではなく「材料を集め、予定を確認する月」にしてみる

9月になったからといって、すぐに志望業界や将来の仕事を一つに決める必要はありません。
むしろ、「今月は材料を集める」と考えてみるのも一つの方法です。気になる業界を3つ見る。企業の事業内容をいくつか読む。キャリアセンターへ一度行く。自分の大学生活を振り返る。秋冬のインターンシップや仕事体験を調べてみる。

こうした小さな行動を積み重ねると、「これは少し興味がある」「これは自分には違うかも」という感覚が出てきます。就活では、「自分には合わないかもしれないとわかること」も、選択肢を整理するための情報になります。最初から正解を探すのではなく、知ることで少しずつ選択肢を整理していきましょう。

ただし、情報収集だけを続けて応募期限を逃してしまわないように、自分の卒業年度や志望する業界の予定も並行して確認しておきましょう。

小さな一歩から始めてみましょう

大学3年生の9月になって、「就活を何もしていない」と焦っているなら、今日からすべてを始める必要はありません。

まず、大学のキャリアセンターや就職支援サイトで、自分の卒業年度に向けたスケジュールと、直近のイベントや応募期限を確認してみてください。そのうえで、スマホやパソコンから「少し気になる会社を1社だけ見る」ことから始めてみましょう。
名前を知っている会社でも構いません。最初は「この会社は何をしているんだろう?」を知るだけでも、最初の一歩になります。

そして、「ちょっとおもしろそう」「これはあまり興味がない」と感じたことを一言だけメモしてみる。それが就活を考えるための最初の材料になります。

就活を始めるというと、大きなことをしなければならないように感じます。でも実際には、予定を一つ確認する、企業を一つ知る、自分の経験を一つ振り返る、説明会を一つ調べる。そんな小さな行動の積み重ねです。
周りがどこまで進んでいるかだけではなく、今の自分が次に何を知る必要があるのかを考えてみてください。

9月から必要なのは、「遅れを一度にすべて取り戻すこと」ではありません。必要な情報と期限を確認し、自分の就活を、自分の一歩から始めることです。
今日、今後の予定を確認し、企業を一つ調べてみる。その小さな一歩から始めてみてください。

ヘッドホンをつけてパソコンを見ながら調べ物をしている女性

MeWithを運営するMinds1020Lab(マインズテントゥエンティラボ)は、「なんとなく生きづらい」「心がモヤモヤする」と感じる10代・20代に寄り添いながら、心のはたらきについて研究しているチームです。

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心理学監修:横浜市立大学医学部 客員教授/中央大学文学部 教授 髙瀨堅吉
学生生活や人間関係など、若者が抱える悩みについて、心理学の視点から記事内容を監修しています。