・1対1では話せるのに、大人数になると話せなくなる人はいる
・人数が増えると「いつ話す?」「誰に話す?」など考えることが増え、会話へ入りづらくなることがある
・「何か面白いことを言わなきゃ」と意識するほど、発言のハードルが上がってしまう場合もある
・大人数でたくさん話せることだけがコミュニケーション能力ではなく、聞く・反応する・少人数で話すことも人との関わり方の一つ
- 二人のときは話せるのに、グループになると急に静かになる
- 人数が増えると会話で考えることも増える
- 「話そう」と思った瞬間に話題が変わってしまう
- 「ちゃんとしたことを言わなきゃ」と思っていない?
- 「話す人」と「聞く人」が自然に分かれることもある
- 大人数で静かな自分を「本当の自分じゃない」と思わなくていい
- 「何か話さなきゃ」ではなくリアクションから入ってみる
- 質問は会話へ入るきっかけになる
- 全員と話そうとしなくてもいい
- 沈黙している自分を意識しすぎると、さらに話せなくなる
- 「今日はあまり話せなかった」を反省会にしない
- 大人数が苦手なら少人数の関係を大切にしてもいい
- それでもグループで少し話せるようになりたいなら
- 小さな一歩から始めてみましょう
二人のときは話せるのに、グループになると急に静かになる
大学の友達と二人でランチをしているときは、普通に話せる。
授業のこと、アルバイトのこと、恋愛のこと。沈黙があっても、それほど気にならない。
でも、そこに友達が何人か加わった瞬間、なぜか話せなくなる。
みんなの会話を聞きながら笑っているだけ。何か言おうと思ったころには話題が変わっている。
帰宅してから、「今日ほとんどしゃべってないな」と気づく。
「私ってコミュ力ないのかな」と落ち込むこともあるかもしれません。
でも、1対1とグループでの会話は、同じ「会話」でも必要になる動きが少し違います。
人数が増えると会話で考えることも増える
二人で話している場合、基本的には相手が話し終われば自分が話します。
ところが5人で話していると、そう単純ではありません。
「今入っていいかな」「この人まだ話しそう」「あ、別の人が話し始めた」「この話、みんな知ってるのかな」
話す内容だけでなく、会話へ入るタイミングまで考える必要があります。
さらに、複数人の表情や反応も目に入ります。
周囲をよく見ている人ほど、たくさんの情報を受け取ってしまい、発言する前に疲れてしまうこともあります。
「話そう」と思った瞬間に話題が変わってしまう
グループでの会話はテンポが速いことがあります。
「それ私も行ったことある」と言おうとした瞬間、別の人が話し始める。
その人の話が終わるころには、別の話題になっている。
「もう今さら言えないか」とやめる。
これを何度か繰り返しているうちに、完全に聞く側になってしまう。
でもこれは、「話したいことがない」というより、会話へ入るタイミングを慎重に見すぎている可能性もあります。
「ちゃんとしたことを言わなきゃ」と思っていない?
大人数になると、「みんなが聞いている」という感覚が強くなります。
二人なら何となく話せることでも、5人いると急に「これ言って面白いかな」と考えてしまう。
「変なこと言ったらどうしよう」
「話を止めたら嫌だな」
「みんな知らない話だったら微妙かも」
こうして頭の中で発言をチェックしている間に、話すタイミングを逃してしまいます。
会話はプレゼンではありません。
毎回おもしろい話や正しい意見を言う必要はありません。
「話す人」と「聞く人」が自然に分かれることもある
グループには、よく話す人がいることがあります。
次々に話題を出す人。リアクションが大きい人。話をまとめる人。
そうした人がいると、「自分が話さなくても会話が進む」という状況になります。
二人きりなら自分も話す必要がありますが、大人数なら聞いているだけでも時間が進みます。
その結果、「気づいたら今日一言も自分から話していなかった」ということもあります。
だからといって、自分にコミュニケーション能力がないとは限りません。
そのグループの中で自然に「聞く側」になっているだけの場合もあります。
大人数で静かな自分を「本当の自分じゃない」と思わなくていい
二人でいるとよくしゃべる自分。
5人になると静かな自分。
どちらが本当の自分なのでしょうか。
答えは、どちらも自分です。
人は、相手や場所によって話し方が変わることがあります。
家族の前ではよく話すのに大学では静かな人もいます。仲のいい友達には冗談を言えるけれど、初対面の人が多い場所では聞き役になる人もいます。
状況によって自分の出方が変わること自体は、おかしなことではありません。
「何か話さなきゃ」ではなくリアクションから入ってみる
グループで話せないとき、「次こそ自分から話題を出そう」と考えるとハードルが高くなることがあります。
そんなときは、話題を作るのではなく、今ある会話に反応するところから始めてみます。
「それわかる」
「え、それどうなったの?」
「私もそれ気になってた」
「それいつ?」
長い話をする必要はありません。
一言反応するだけでも、会話には参加しています。
そこから相手に「○○は?」と聞かれ、自分の話へつながることもあります。
質問は会話へ入るきっかけになる
何を話せばいいかわからないときは、質問も使えます。
例えば友達が旅行の話をしていたら、「どこが一番よかった?」。
アルバイトの話なら、「それ何時まで働いてたの?」。
質問をすると、自分が長く話さなくても会話へ参加できます。
そして相手の答えの中に、自分も話せる内容が見つかるかもしれません。
「私もそこ行ったことある」「私のバイト先も似たことある」。
聞くことと話すことは別々ではなく、つながっています。
全員と話そうとしなくてもいい
6人でいるからといって、6人全員に向かって話す必要はありません。
隣にいる一人へ話しかけるところからでも大丈夫です。
大人数での食事でも、実際には隣の2〜3人で小さな会話が生まれることがあります。
グループ全体の中心になる必要はありません。
「大人数の場にいる=大人数を相手に話さなければいけない」と考えず、その中の一人と話すくらいに考えると少し楽になります。
沈黙している自分を意識しすぎると、さらに話せなくなる
しばらく話していないと、急に自分の沈黙が気になり始めます。
「私、さっきから何も言ってない」
「みんな気づいてるかな」
「今さら急に話したら変かな」
すると、会話の内容より「自分がどう見られているか」に意識が向きます。
そして、さらに話せなくなる。
でも、周囲は自分が思っているほど「この人、10分間話していない」と数えているわけではないことも多いでしょう。
話したいことが出てきたら、そのとき話せばいいのです。
「今日はあまり話せなかった」を反省会にしない
グループで遊んだあと、「もっと話せばよかった」と反省することがあります。
「あの話すればよかった」
「あそこで黙らなければよかった」
「あの子、私のことつまらないと思ったかな」
でも、友達と過ごす時間は面接ではありません。
毎回、自分の会話を評価する必要はありません。
自分が楽しかったなら、それも一つの大切な感覚です。
「今日は聞いている時間が多かったな」くらいで終わらせてもいいのです。
大人数が苦手なら少人数の関係を大切にしてもいい
「大学生ならみんなでワイワイできたほうがいい」と思うかもしれません。
サークル、飲み会、旅行、大学祭など、大人数で楽しむ大学生活のイメージもあります。
でも、誰もが大人数の場を一番心地よいと感じるわけではありません。
二人でゆっくり話すほうが好きなら、その関係を大切にしてもいい。
3〜4人くらいがちょうどいいなら、その人数で会う時間を増やしてもいい。
「大人数で話せるようになること」を目標にするのではなく、自分が心地よく人と関われる方法を知ることも大切です。
それでもグループで少し話せるようになりたいなら
ゼミやグループワーク、サークルなど、大人数で話す必要がある場面もあります。
そんなときは、「今日はたくさん話す」ではなく、小さな目標を決めてみます。
一回質問する。一回自分の意見を言う。一人に自分から話しかける。
それだけでも十分です。
できたら、「今日は一回話せた」で終わりにします。
少しずつ経験を重ねることで、自分が入りやすいタイミングや話し方がわかってくることがあります。
小さな一歩から始めてみましょう
次に大人数で話す機会があったら、「今日は面白いことを言おう」と考えなくて大丈夫です。
代わりに、「一回だけ会話に足してみる」と決めてみてください。
「それわかる」
「え、なんで?」
「私も行ったことある」
その一言だけでも構いません。
会話に参加することは、長く話すことでも、場を盛り上げることでもありません。
聞くこと、笑うこと、質問すること、短く自分の経験を話すこと。全部、人とのコミュニケーションです。
そして、大人数では静かでも、二人ならたくさん話せるのであれば、それもあなたが持っている人との関わり方です。
「大人数で話せない=コミュニケーションが苦手」と決めつけず、自分が話しやすい人数や関係を知っていく。
無理に一番よく話す人になる必要はありません。
自分なりの入り方を一つずつ見つけていけばいいのです。

MeWithを運営するMinds1020Lab(マインズテントゥエンティラボ)は、「なんとなく生きづらい」「心がモヤモヤする」と感じる10代・20代に寄り添いながら、心のはたらきについて研究しているチームです。
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心理学監修:横浜市立大学医学部 客員教授/中央大学文学部 教授 髙瀨堅吉
学生生活や人間関係など、若者が抱える悩みについて、心理学の視点から記事内容を監修しています。


