・友達のことは好きなのに、一緒にいると疲れると感じることはある
・「仲が良い=いつも一緒にいる」とは限らず、人によって心地よい人間関係の距離は違う
・大学では授業、昼食、空きコマ、帰宅、グループLINEなど、友達と関わる時間が想像以上に長くなることがある
・友達との関係を大切にしながら、一人で過ごす時間を作ってもいい
- 友達は好き。でも大学でずっと一緒にいると疲れる
- 大学は意外と「友達と一緒にいる時間」が長い
- 「楽しい」と「疲れる」は同時に存在していい
- 一人で過ごすと落ち着きやすい人もいる
- グループにいると無意識に「役割」を続けていることがある
- 「誘いを断ったら嫌われる」が疲れにつながることもある
- 仲が良くても毎回参加しなくていい
- グループLINEにずっと反応しなくてもいい
- 「一人でいるところを見られるのが嫌」で無理していない?
- グループの中でも「全員と同じ距離」でなくていい
- 友達といるときの「小さな我慢」を探してみる
- 「一人で過ごす時間」を少し作ってみる
- 「友達がいること」と「無理をしすぎないこと」の両方を大切にする
- 小さな一歩から始めてみましょう
友達は好き。でも大学でずっと一緒にいると疲れる
大学には仲のいい友達がいる。一緒にいると楽しいし、嫌いなわけでもない。それなのに、一日一緒に過ごした日の帰り道、なぜかどっと疲れている。「明日の空きコマは一人でいたいな」と思うこともある。
でも翌日になると、いつものように「お昼、一緒に食べよう」「空きコマ、どこへ行く?」という流れになる。断るほどの理由もないから一緒にいる。でも、本当は少し一人になりたい。
そんなとき、「友達なのに一人になりたいと思う自分って冷たいのかな」と感じることはありませんか?
友達のことが好きな気持ちと、一人で過ごしたい気持ちは、矛盾するものではありません。
大学は意外と「友達と一緒にいる時間」が長い
高校まではクラスがあり、ある程度決められた人間関係の中で生活します。大学になると自由になるので、人付き合いも楽になるように思えるかもしれません。
でも実際には、大学だからこそ、友達と関わる時間が長くなることもあります。
同じ授業を取る。授業と授業の間も一緒にいる。お昼を一緒に食べる。空きコマも一緒に過ごす。授業が終わったら一緒に駅まで行く。そのあとグループLINEで話す。夜はInstagramなどで友達の投稿を見る。
直接会っていない時間まで含めると、一日の中でかなり長い時間、友達とのやり取りが続いていることがあります。
それなら、楽しい関係であっても、疲れる日があるのは不自然ではありません。
「楽しい」と「疲れる」は同時に存在していい
友達と一緒にいる時間が楽しかったのに、帰宅すると一人になりたくなる。この感覚に戸惑う人もいます。
「楽しかったなら疲れないはず」
「疲れるということは、この友達と合っていないのかな」
そう考えてしまうかもしれません。
でも、人と関わっているときには、相手の話を聞く、自分の話をする、反応する、周囲の雰囲気を見る、次に何をするか相談するといったことを自然に繰り返しています。
こうしたやり取りには、注意を向けたり、その場に合わせて行動したりする負担が伴うことがあります。特に相手を嫌いでなくても、人と長時間過ごせば疲れることはあります。
旅行が楽しくても帰宅したら疲れていることがあるように、人間関係でも「楽しかった」と「疲れた」は同時に存在してよいのです。
ただし、特定の友達といるときだけ強く緊張する、傷つけられる、仲間外れにされる、無理なことを求められるといった状況がある場合は、単に一緒にいる時間が長いから疲れているとは限りません。関係の中で何が起きているのかを別に考える必要があります。
一人で過ごすと落ち着きやすい人もいる
疲れたときに、どのような過ごし方で落ち着きやすいかは、人によって違います。
友達と話すことで気分転換できる人もいれば、一人で静かに過ごすことで落ち着く人もいます。同じ人でも、その日の体調や出来事によって変わることがあります。
例えば、大学で5時間友達と過ごしたあと、「帰りにみんなでご飯へ行こう」と言われたとします。「行きたい」と思う人もいれば、「楽しいけれど、今日は帰りたい」と感じる人もいるでしょう。
どちらが正しいということではありません。
大切なのは、自分はどのような状況で疲れやすく、どのように過ごすと少し落ち着けるのかを知っておくことです。
グループにいると無意識に「役割」を続けていることがある
友達グループの中で、自分の役割がなんとなく決まっていることはありませんか?
いつも話題を出す人。みんなを笑わせる人。相談を聞く人。予定を決める人。場の空気を悪くしないようにする人。
誰かに「あなたはこの役割ね」と言われたわけではなくても、いつの間にかその立場になっていることがあります。
特に「場を盛り上げなきゃ」「誰かが黙っていたら話を振らなきゃ」「空気が悪くならないようにしなきゃ」と考えていると、人と一緒にいるだけでも疲れやすくなることがあります。
友達といると疲れるなら、「誰といるか」だけではなく、その人たちといるときに、自分がどのような役割を担おうとしているかも見てみてください。
「誘いを断ったら嫌われる」が疲れにつながることもある
大学の友達から、「このあとご飯へ行かない?」「次の空きコマ、一緒にいよう」「週末、みんなで遊ぼう」と誘われる。
今日は帰りたい。でも、「断ったらノリが悪いと思われるかな」「次から誘われなくなったら嫌だな」と思って参加する。
こうしたことが何度も続くと、人付き合いそのものが負担に感じられるようになることがあります。
一度、相手に合わせて参加することが問題なのではありません。自分が参加したくないときにも、毎回「友達にどう思われるか」を優先し、自分の疲れや予定を無視してしまうことが負担になる場合があります。
仲が良くても毎回参加しなくていい
友達との関係を大切にしたいからこそ、誘いを断りにくい人もいます。
でも、一度ご飯を断っただけで、友達ではなくなるとは限りません。
「今日は少し疲れたから帰るね」
「課題をやりたいから、今日は図書館へ行く」
「今日は一人でゆっくりしたい」
理由はそれくらいでも構いません。
詳しい理由をすべて説明したくないときは、「今日は予定があるから、また今度」と伝える方法もあります。
無理をして毎回参加し続け、ある日突然「もうこのグループにいたくない」と感じるより、小さく自分の時間を作りながら付き合うほうが、関係を続けやすいこともあります。
ただし、断ると責められる、無視される、悪口を言われるなど、断ることを認めてもらえない関係なら、単なる伝え方の問題とは限りません。自分だけで対応しにくい場合は、信頼できる人や大学の学生相談室などへ相談することも考えてください。
グループLINEにずっと反応しなくてもいい
大学の友達との関わりで疲れるのは、実際に会っている時間だけではありません。
授業が終わって家に帰ったあとも、グループLINEが動いている。誰かがメッセージを送るたびに通知が来る。自分だけ返信しないと感じが悪い気がして、スタンプを送る。
SNSでも、友達の投稿を見たら反応しなければいけないように感じる。
そうすると、一人で家にいても、気持ちはずっと人間関係の中にいるように感じることがあります。
連絡事項など必要な内容は確認しつつ、雑談を含むすべてのメッセージに、すぐ反応しなければならないわけではありません。
通知をオフにする、確認する時間を決める、夜はグループLINEを見ないなど、オンラインでも自分なりの距離を作ってみてもよいでしょう。
「一人でいるところを見られるのが嫌」で無理していない?
大学では、一人で昼食を食べたり、一人で空きコマを過ごしたりすることに抵抗を感じる人もいます。
「友達がいないと思われそう」
「一人でいるのを知り合いに見られたら気まずい」
そんな理由で、一人で過ごしたいときにも誰かを探してしまうことがあります。
でも大学では、時間割も予定も人によって違います。一人で過ごしている学生もいます。
一人でいることと、友達がいないことは同じではありません。
友達がいても、一人で昼食を食べる日があっていい。仲のよいグループがあっても、一人で図書館へ行く日があっていいのです。
一方で、一人で過ごすことに強い寂しさを感じる人もいます。無理に「一人を楽しめるようにならなければ」と考える必要はありません。自分にとって無理のない時間や場所から試してみてください。
グループの中でも「全員と同じ距離」でなくていい
5人グループにいるからといって、5人全員と同じくらい親しくする必要はありません。
大人数でいると疲れるけれど、その中の一人と二人で話すのは好き。グループで旅行するのは少し疲れるけれど、大学で一緒に昼食を食べるのは楽しい。
そんな関係でも構いません。
「グループ」という単位で人間関係を考えすぎると、「このグループにいるか、抜けるか」という二択になりがちです。
でも実際には、同じグループの中でも、人や場面によって付き合い方や距離が異なることがあります。
友達といるときの「小さな我慢」を探してみる
友達と一緒にいると疲れると感じたら、「この友達とは合わない」とすぐに判断する前に、自分がどのような我慢をしているのかを探してみてください。
帰りたいのに毎回ご飯へ行っている。聞き役ばかりになっている。行きたくないイベントにも参加している。返信したくないときにもLINEを返している。みんなに合わせて履修まで決めている。
一つひとつは小さなことでも、積み重なると負担になります。
もしかすると必要なのは、すぐに友達を変えたり関係を終わらせたりすることではなく、付き合い方を少し変えることかもしれません。
ただし、いつも自分だけが我慢している、一方的に利用されている、嫌なことを伝えても尊重されないという場合は、その関係自体を見直す必要があるかもしれません。
「一人で過ごす時間」を少し作ってみる
いつも大学で友達と一緒にいるなら、無理のない範囲で「一人で過ごす空きコマ」を作ってみる方法があります。
図書館へ行く。好きなカフェへ行く。音楽を聴く。課題をする。何もせずに休む。
最初は「みんなは何をしているのかな」と気になるかもしれません。でも、一人の時間を過ごしてみると、「思ったより落ち着く」と気づく人もいます。反対に、「短い時間なら一人でよいけれど、長いと寂しい」とわかることもあります。
そして、一人で少し落ち着いたあとに友達と会うと、以前より余裕を持って話せることもあります。
人間関係は、距離が近ければ近いほどよいわけではありません。自分と相手の双方にとって、無理のない距離を探すことも大切です。
「友達がいること」と「無理をしすぎないこと」の両方を大切にする
大学生活では、「友達を作らなきゃ」「グループに入らなきゃ」と思うことがあります。
人とのつながりは、大学生活を楽しくしたり、困ったときの支えになったりするものの一つです。
でも、友達との関係を守るために、自分がずっと無理をし続ける必要はありません。
友達と過ごす時間も大切。一人で過ごす時間も大切。
どちらか一方だけを選ぶのではなく、その日の状態や予定も見ながら、自分に合うバランスを探してみてください。
小さな一歩から始めてみましょう
「友達は好きなのに、一緒にいると疲れる」と感じているなら、すぐに友達との関係を大きく変える必要はありません。
次に空きコマがある日に、可能であれば30分だけ一人で過ごしてみてください。
「少し図書館へ行ってくる」
「課題をやってくるね」
と伝えて、一度グループから離れてみる。それだけで構いません。
そして、一人になったときの自分の反応を見てみてください。
ホッとするのか。少し寂しいのか。思ったより快適なのか。やはり友達と一緒にいたいと思うのか。
その感覚が、自分に合った人間関係の距離を考えるヒントになります。
ただし、一度の経験だけで「自分は一人が好き」「このグループは合わない」と決める必要はありません。その日の体調や状況によって感じ方が変わることもあります。
友達を大切にすることは、いつも一緒にいることだけではありません。自分が無理をしすぎない距離を知り、それを相手にも伝えていくことは、長く人と付き合っていくために大切なことです。
「今日は一人で過ごしたい」と思ったら、その気持ちを無視しなくても大丈夫です。
一人で過ごして少し落ち着いたら、また友達と話したくなるかもしれません。
大学生活では、「誰といるか」だけでなく、「どのような距離なら、自分も相手も無理なく過ごせるか」も探してみてください。

MeWithを運営するMinds1020Lab(マインズテントゥエンティラボ)は、「なんとなく生きづらい」「心がモヤモヤする」と感じる10代・20代に寄り添いながら、心のはたらきについて研究しているチームです。
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心理学監修:横浜市立大学医学部 客員教授/中央大学文学部 教授 髙瀨堅吉
学生生活や人間関係など、若者が抱える悩みについて、心理学の視点から記事内容を監修しています。


