・好きな人がいなくても「恋人がほしい」と感じることはある
・恋愛したい気持ちの中には、寂しさ、安心感、誰かに大切にされたい気持ちなどが含まれていることもある
・友達の恋愛やSNSを見て、急に「自分も恋人を作らなきゃ」と焦る場合もある
・すぐに恋人を探す前に、「恋人ができたら何をしたい?」と考えると自分の気持ちが見えやすくなる
好きな人はいない。でも、なんとなく恋人がほしい
「彼氏ほしいな」「彼女ほしいな」
ふと、そんなことを思う。
でも、「じゃあ好きな人いるの?」と聞かれると、特にいない。
大学にもアルバイト先にも気になる人はいないし、誰かに片思いをしているわけでもない。それなのに、なぜか恋愛したい。
友達の恋愛話を聞いた夜。カップルを見かけた帰り道。SNSで旅行や記念日の投稿を見たとき。予定のない休日。
急に「恋人いたらいいな」と感じることがあります。
好きな人がいないのに恋人がほしいと思うのは、矛盾しているように感じるかもしれません。
でも、「特定の誰かを好きになること」と「恋愛関係を求めること」は、必ずしも同じではありません。
「恋人がほしい」の中にはいろいろな気持ちがある
恋人がほしい理由は、一つではありません。
誰かを好きになりたい。自分を大切にしてくれる人がほしい。休日を一緒に過ごしたい。何でも話せる相手がほしい。手をつないだりデートしたりしてみたい。
あるいは、「周りに恋人がいるから」「大学生のうちに恋愛しておきたい」という気持ちかもしれません。
どれが正しくて、どれが間違っているということではありません。
ただ、「恋人がほしい」という一つの言葉の中に、自分が求めているものがいくつも隠れていることがあります。
友達に恋人ができると急に焦ることがある
今まで恋愛にそれほど興味がなかったのに、仲のいい友達に恋人ができた途端、「私もほしい」と思うことがあります。
休日によく遊んでいた友達がデートへ行くようになった。グループLINEで恋愛の話が増えた。旅行の予定を立てようとしたら「その日は彼氏と予定ある」と言われた。
すると、自分だけ取り残されたような気持ちになることがあります。
ここで生まれているのは、必ずしも「恋愛したい」という気持ちだけではないかもしれません。
「友達との関係が変わる寂しさ」や「自分だけ違う状況になった不安」が、恋人がほしいという気持ちにつながっている場合もあります。
SNSを見ると「恋人がいる生活」が魅力的に見える
SNSには、恋愛の楽しい場面がたくさん流れてきます。
誕生日サプライズ。記念日ディナー。旅行。クリスマス。テーマパーク。何気ないデート。
そうした投稿を続けて見ていると、「恋人がいる=毎日が楽しそう」に見えることがあります。
でも、SNSに載るのは関係の一部分です。
意見が合わない日もあれば、一人になりたい日もあります。連絡頻度で悩んだり、予定を合わせるのが大変だったりすることもあるでしょう。
恋愛には楽しいこともありますが、恋人ができれば自動的に毎日が充実するわけではありません。
秋になると恋人がほしくなる?
夏が終わり、少しずつ涼しくなってくると、「なんか恋人ほしいな」と感じる人もいるかもしれません。
これからクリスマスや年末など、誰かと過ごすイメージの強いイベントも増えていきます。
「クリスマスまでに恋人ほしい」という話を友達同士ですることもあるでしょう。
季節やイベントによって恋愛を意識すること自体は不思議ではありません。
ただ、「冬までに恋人を作らなきゃ」と期限を決める必要はありません。
恋愛は就活や課題のように、締切までに終わらせるものではないからです。
「恋人がほしい」のではなく「寂しくない時間」がほしいこともある
夜、一人で家にいるとき。
友達にLINEを送ろうと思ったけれど、「こんなことで連絡するのもな」とやめたとき。
休日に予定がなく、SNSを開いたらみんな楽しそうだったとき。
そんな瞬間に「恋人がいたらな」と思うことがあります。
もしかするとそのとき求めているのは、「恋人」という存在そのものではなく、誰かとつながっている感覚なのかもしれません。
もちろん、それを恋愛関係に求めても構いません。
ただ、自分が本当に求めているものが「話せる相手」なら、友達と電話することでも満たされるかもしれません。
「一緒に出かける相手」なら、友達を誘う方法もあります。
恋人だけが、すべての寂しさを埋める存在ではありません。
「誰かに大切にされたい」と思っている場合もある
恋人がほしい気持ちの中に、「誰かに選ばれたい」という気持ちが含まれていることもあります。
自分のことを好きだと言ってほしい。特別な存在として扱ってほしい。必要とされたい。
そう思うこと自体が悪いわけではありません。
人との関係の中で、自分が大切にされていると感じることは嬉しいものです。
ただ、「恋人がいる=自分には価値がある」「恋人がいない=誰からも選ばれていない」と考えてしまうと、恋愛が自分の価値を確認するためのものになってしまいます。
恋人がいるかどうかで、その人自身の価値が決まるわけではありません。
「大学生なのに恋愛経験がない」と焦らなくてもいい
大学生になると、恋愛経験について話す機会が増えることがあります。
「高校のとき付き合ってた」「今の彼氏とは大学で出会った」「マッチングアプリで知り合った」
そんな話を聞くと、恋愛経験が少ない人は「自分って遅れてる?」と感じるかもしれません。
でも、恋愛を始める時期に決まった正解はありません。
高校で初めて恋人ができる人もいれば、大学生、社会人になってから恋愛をする人もいます。
「大学生なら恋愛していて普通」という基準に自分を合わせる必要はありません。
恋人ができたら「何をしたい?」と考えてみる
自分がなぜ恋人を求めているのかわからないときは、「なぜ恋人がほしい?」よりも、「恋人ができたら何をしたい?」と考えてみると答えやすいことがあります。
一緒に旅行したい。毎日LINEしたい。学校帰りに会いたい。悩みを話したい。休日に一緒にご飯を食べたい。安心できる関係がほしい。
その答えには、自分が人との関係で大切にしたいことが表れます。
例えば「何でも話したい」なら、あなたは恋愛で会話や安心感を大切にしたいのかもしれません。
「いろいろな場所へ行きたい」なら、一緒に経験を楽しめる関係を求めているのかもしれません。
「恋人がほしい」から始まる恋愛も悪くない
「好きな人ができて、その人と付き合いたい」という順番だけが恋愛ではありません。
「恋愛してみたい」と思って新しい人と出会い、その中で気になる人ができることもあります。
友達から紹介してもらう。大学やサークルで新しい人と話す。出会いの場を広げてみる。
そうした行動をすること自体は問題ありません。
ただ、「恋人を作ること」がゴールになりすぎると、「付き合えそうな人なら誰でもいい」と自分の気持ちを置き去りにしてしまうことがあります。
出会ったときには、「恋人候補になるか」だけではなく、「この人といる自分は心地いい?」という視点も持ってみてください。
一人でいる時間を好きになることと、恋愛したいことは両立する
「一人でも楽しめるようになってから恋愛したほうがいい」と言われることがあります。
でも、一人の時間が好きでも恋人がほしいことはあります。
反対に、恋人がいても一人の時間が必要な人もいます。
「一人で幸せになれない人は恋愛しちゃダメ」と考える必要はありません。
大切なのは、恋人に自分の寂しさや不安のすべてを解決してもらおうとしないことです。
一人の時間、友達との時間、家族との時間、恋人との時間。それぞれ違う役割があります。
恋愛したいと思った自分の気持ちを否定しなくていい
「好きな人もいないのに恋人ほしいって、なんか変かな」
そう思う必要はありません。
恋愛してみたい。誰かを好きになってみたい。大切な人と時間を過ごしたい。
それも自分の中に生まれた一つの気持ちです。
すぐに恋人を作らなくてもいいし、出会いを探してみてもいい。
まずは、「私は今、何を求めているんだろう」と自分の気持ちを少しだけ見てみることが大切です。
小さな一歩から始めてみましょう
「恋人ほしいな」と思ったら、スマホのメモにこの続きを3つ書いてみてください。
「恋人ができたら、私は____したい。」
「一緒に旅行したい」
「夜に電話したい」
「何でも話せる関係になりたい」
書いてみたら、もう一度その答えを見ます。
そこには、自分が恋愛に求めているものが少し表れているかもしれません。
安心感がほしいのか。新しい経験を一緒にしたいのか。誰かと深くつながりたいのか。
そして、その気持ちを今すぐ恋愛だけで満たす必要があるのかも考えてみます。
友達との時間で満たせるものもあれば、新しい人と出会ってみたいと思うものもあるでしょう。
「恋人がいないから足りない」ではなく、「私はどんな関係を誰かと作ってみたいんだろう?」
そんな問いに変えてみると、「恋人がほしい」という気持ちの奥にある、自分が大切にしたいことが少しずつ見えてくるかもしれません。

MeWithを運営するMinds1020Lab(マインズテントゥエンティラボ)は、「なんとなく生きづらい」「心がモヤモヤする」と感じる10代・20代に寄り添いながら、心のはたらきについて研究しているチームです。
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心理学監修:横浜市立大学医学部 客員教授/中央大学文学部 教授 髙瀨堅吉
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