・就活では友達と同じ時期に動くため、自分の選考状況と比較しやすくなる
・「友達が先に進んでいる=自分の就活が遅れている」とは限らない
・内定数や選考通過数だけでは、自分に合った会社を選べているかまではわからない
・比較して焦ったときは、友達の進み具合ではなく「自分が次に確認し、取り組むこと」へ意識を戻すことが大切
- 「もう最終面接なんだ」と聞いた瞬間、急に焦ってしまった
- 就活は「進捗」が見えやすいから比較しやすい
- 心理学で考えると「自分と近い人」ほど比較対象になりやすい
- 「内定が早い=就活が成功している」とは限らない
- 「何社受けた?」という会話で不安になってしまう
- 就活の話をしたくない日は、しなくてもいい
- SNSを見るほど「みんな進んでいる」ように感じる理由
- 焦ってエントリー数だけを増やしていない?
- 友達と同じ業界に行かなくてもいい
- 比較したときは「何に反応したのか」を確認する
- 「友達より遅い」から、自分の進み具合へ目を戻す
- 不合格を「自分の評価」にしない
- 自分の就活に戻るための「3つの質問」
- 就活の進み方は人によって違う
- 小さな一歩から始めてみましょう
「もう最終面接なんだ」と聞いた瞬間、急に焦ってしまった
大学の友達と何気なく就活の話をしていたとき、「この前受けたところ、次が最終面接なんだよね」と言われた。
「え、もう最終?」
笑いながら「すごいじゃん!」と言ったものの、心の中では急に焦り始める。
自分はまだエントリーする会社を探している。エントリーシートを書いている途中。インターンシップにもあまり参加できていない。
家に帰ってから、「私、遅れてる?」と不安になって就活サイトを開く。
別の日にはSNSで、「早期選考に呼んでもらいました」「インターンシップから本選考につながりました」という投稿が流れてくる。
さらに焦って、とりあえず何社かにエントリーする。
就活では、このように周りの進み具合を知った瞬間、自分まで遅れているように感じることがあります。
就活は「進捗」が見えやすいから比較しやすい
大学生活の中でも、就活は特に比較が起こりやすいものの一つです。
エントリーシートを何社に出した。インターンシップに何社参加した。一次面接に通った。最終面接まで進んだ。内定を得た。
進み具合が数字や段階として見えやすいため、「自分は今どこにいるのか」を周りと比べやすくなります。
しかも、比較する相手は、同じ大学、同じ学年の友達です。
昨日まで一緒に授業を受けていた友達が突然「内定」という言葉を口にすると、自分だけ取り残されたように感じることがあります。
心理学で考えると「自分と近い人」ほど比較対象になりやすい
人は、自分の状態や能力を知るときに、周囲の人と比較することがあります。心理学では、こうした働きを「社会的比較」と呼びます。
特に比較しやすいのが、自分と条件の近い相手です。
同じ大学。同じ学部。同じゼミ。同じ年齢。同じ業界を志望している友達。
「同じようなところからスタートした」と感じる相手だからこそ、その人が先に進むと、自分が遅れているように感じやすくなります。
でも、就活は、同じスタートラインから全員が同じゴールへ向かう競争ではありません。志望する業界や職種、企業の採用時期、本人が重視する条件などが違えば、進み方も異なります。
「内定が早い=就活が成功している」とは限らない
就活中は、内定を得た人が「ゴールした人」のように見えることがあります。
でも、就活の目的は、早く内定を得ることだけではありません。
その会社で働きたいと思えるのか。自分が大切にしたい条件と合っているのか。仕事内容に納得できるのか。働き方は自分の希望と合いそうなのか。
そうしたことも重要です。
例えば、早い時期に内定を持っている人と、まだ企業を調べている人がいたとしても、それだけでどちらの就活がうまくいっているかは判断できません。
就活のスピードと、選択への納得感は別のものです。
ただし、納得できるまで時間をかければ、応募期限を気にしなくてよいという意味ではありません。関心のある業界や企業の採用時期は、公式の採用情報や大学のキャリアセンターなどで確認しておきましょう。
「何社受けた?」という会話で不安になってしまう
就活が始まると、友達同士でも数字の話が増えてきます。
「インターンシップに何社応募した?」
「エントリーシートは何社通った?」
「もう何社の面接を受けた?」
「内定はいくつ持っている?」
相手は、ただ情報交換として聞いているだけかもしれません。
でも、自分が思うように進んでいないと、その質問だけでプレッシャーを感じることがあります。
「3社しか出していないと答えたら、少ないと思われそう」「まだ面接を受けていないと言ったら、遅いと思われそう」。
そう感じて、友達と会うこと自体が少し嫌になることもあります。
就活の話をしたくない日は、しなくてもいい
友達だからといって、選考状況をすべて共有する必要はありません。
「最近どう?」と聞かれたときに、「まあ、ぼちぼち」「最近、就活の話をすると少し疲れるから、今日は別の話をしたい」と言っても構いません。
自分が比較して苦しくなっていると感じるなら、就活の話題から少し離れることも、自分を守る方法の一つです。
友達との関係まで、就活の競争にする必要はありません。
ただし、就活の話を避けることと、自分に必要な情報まで避けることは別です。友達との会話から距離を取っても、応募期限や大学からの案内などは確認しておきましょう。
SNSを見るほど「みんな進んでいる」ように感じる理由
就活中にSNSを見ると、「自分以外は全員動いている」と感じることがあります。
「サマーインターンシップ参加決定」
「早期選考の案内が来た」
「面接を通過しました」
こうした投稿が次々に表示されます。
でも、「今日は企業研究をしようと思ったけれど、何もできなかった」「エントリーシートで不合格になった」「何をしたいのかわからない」といった経験を、そのたびに投稿する人ばかりではありません。
結果として、うまくいっている情報が目に入りやすくなります。
それを見続けていると、実際以上に「周りは順調で、自分だけ遅れている」と感じることがあります。
比較して苦しくなる時期は、就活関連のアカウントを見る時間を減らす、通知を切るなど、SNSから少し距離を取ってもよいでしょう。
一方、SNSの投稿だけで就活の一般的なスケジュールを判断するのも避けましょう。選考時期や募集条件は、企業や年度によって異なります。必要な情報は、企業や大学などの公式情報で確認することが大切です。
焦ってエントリー数だけを増やしていない?
友達が10社受けていると聞いて、「自分も10社受けなきゃ」と思う。
すると、興味があるかわからない企業にも、とりあえずエントリーするようになります。
エントリーシートを書く会社が増える。企業研究に必要な時間が増える。締め切りが増える。そして、さらに疲れる。
それなのに、「自分は何のためにこの会社を受けているんだろう」とわからなくなる。
周りに追いつくためだけに行動量を増やすと、就活そのものが苦しくなることがあります。
応募する企業数に、すべての人に共通する正解があるわけではありません。「友達と同じ数にする」ことより、自分の希望、準備に使える時間、応募期限などを踏まえて考えることが大切です。
ただし、候補を絞りすぎると機会が限られる場合もあります。どの程度の企業数を検討するか迷ったときは、大学のキャリアセンターなどで相談してみましょう。
友達と同じ業界に行かなくてもいい
仲のいい友達が広告業界を見ているから、自分も広告業界が気になる。ゼミのみんなが大手企業を受けているから、自分も大手企業を中心に探す。
周囲の選択は、自分の選択にも影響します。
もちろん、友達から知らなかった業界を教えてもらうこともあります。それ自体は悪いことではありません。
でも一度、「友達が受けていなかったとしても、自分はこの会社や仕事に関心を持つだろうか」と考えてみてください。
すぐに答えが出ないなら、その企業の事業内容、仕事内容、労働条件などをもう少し調べてから判断してもよいでしょう。
比較したときは「何に反応したのか」を確認する
友達の就活を見て焦ったときは、「私は何に反応したのだろう」と考えてみると、自分の不安が見えやすくなることがあります。
友達が内定を持っていることなのか。自分より早く動いていることなのか。行きたい業界が決まっていることなのか。面接が得意そうに見えることなのか。
例えば、「行きたい業界が決まっていることが羨ましい」と気づいたなら、必要なのはエントリー数を増やすことではなく、業界を知ることかもしれません。
「面接に進んでいることが羨ましい」なら、自分はまず、直近の応募先を確認してエントリーシートを一つ仕上げる必要があるかもしれません。
焦りの背景が少し見えると、自分が次に取り組むことも具体的になります。
ただし、考えて思いついた理由が、必ずしも唯一の正しい答えとは限りません。一つの可能性として捉え、必要な行動や期限も併せて確認しましょう。
「友達より遅い」から、自分の進み具合へ目を戻す
就活で比較が苦しくなったら、友達との比較からいったん離れ、自分がこれまでに進めたことを確認してみてください。
昨日は企業を一社も知らなかったけれど、今日は一社調べた。自己PRが白紙だったけれど、今日は100文字書いた。説明会を予約していなかったけれど、今日は一つ予約した。
こうした小さな進み方も、就活を進める一歩です。
ただし、毎日必ず昨日より進まなければならないわけではありません。予定どおりにできない日や、休む日もあります。また、小さな一歩だけで期限に間に合わない場合もあるため、全体の予定を確認することも必要です。
友達より先に進むことではなく、自分に必要な準備を、自分の予定に沿って進めることが重要です。
不合格を「自分の評価」にしない
友達が選考に通り、自分が落ちたときは、特につらく感じることがあります。
同じ会社を受けていたなら、「友達は必要とされたけれど、自分は必要とされなかった」と感じてしまうこともあるでしょう。
でも、一つの選考結果だけで、自分という人間全体の価値が決まるわけではありません。
企業によって求める経験や能力、採用予定の職種、評価するポイントは異なります。応募者数や採用人数、選考時期など、自分だけでは決められない要因も関係します。
もちろん、不合格になれば落ち込んでいいし、悔しいと思っていい。
ただ、「この会社の選考に通らなかった」から「自分には価値がない」まで結論を広げないことが大切です。
落ち込みが長く続き、眠れない、食欲がない、何をしても楽しめない、自分を強く責め続けるなど、日常生活にも影響が出ている場合は、大学の学生相談室などへ相談することも考えてください。
自分の就活に戻るための「3つの質問」
周りを見すぎて、自分が何をすればよいかわからなくなったら、一度、就活サイトやSNSを閉じてみてください。
そして、自分に3つ質問します。
「自分はどのような会社や仕事が少し気になっている?」
「会社選びで大切にしたいことは何?」
「直近の期限を踏まえて、今週一つ進めるなら何?」
完璧に答える必要はありません。
「IT業界が少し気になる」
「転勤がないことは大切」
「説明会を一つ予約する」
程度でも構いません。
周りの進捗ではなく、自分の現在地と、次に必要な行動へ意識を戻すための質問です。
何から始めるべきかわからない場合は、「今週、大学のキャリアセンターへ相談する」を一つ目の行動にしてもよいでしょう。
就活の進み方は人によって違う
大学生の就活では、「○月までにこれをしなければ」「周りはもう始めている」という情報がたくさんあります。
もちろん、応募締め切りや選考日など、実際に期限があるものは確認する必要があります。企業や業界によっては、早い時期からプログラムや選考が進む場合もあります。
一方、すべての人が同じ企業を受けるわけでも、同じ時期に内定を得るわけでもありません。
早くから志望業界が決まる人もいれば、さまざまな企業を見る中で少しずつ方向が見えてくる人もいます。
友達の進み方を、そのまま自分の基準にする必要はありません。ただし、「自分のペース」という言葉だけで安心せず、自分の卒業年度、志望する業界や企業に必要なスケジュールは、公式情報で確認しておきましょう。
小さな一歩から始めてみましょう
次に友達の就活状況を聞いて焦ったら、その場ですぐ就活サイトを開かなくても大丈夫です。
まず、「今、自分は何に反応したのだろう」と考えてみてください。
「友達がもう面接を受けていること」
「内定を持っていること」
「志望業界が決まっていること」
そして次に、「自分の期限や現在地を踏まえると、何を一つ進める必要がある?」と考えます。
例えば、友達の志望業界が決まっていることに反応したなら、今日は一つの業界について20分だけ調べる。友達が面接へ進んでいることが気になったなら、自分は直近の応募期限を確認し、エントリーシートを一つ進める。
比較した勢いだけで、突然10社にエントリーする必要はありません。
友達の就活状況は、そのまま自分の就活の締め切りになるわけではありません。
就活は、同じ大学の友達と順位を競うものではなく、自分がこれから働く場所を探していく時間です。
友達が先に内定を得ても、それだけで自分の選択肢がなくなるわけではありません。友達が早く動いていても、それだけで自分の人生全体が遅れていることにはなりません。
周りを見て焦ったら、「自分は今どこにいて、何を確認する必要がある?」と、自分の就活へ意識を戻してみる。
そして、必要な期限を確認したうえで、今日できることを一つ進める。
それを繰り返しながら、友達の就活ではなく、自分自身の就活を作っていきましょう。

こちらの記事でも、就活中に友人と比較してしまうときの向き合い方について紹介しています。ぜひ、あわせてご覧ください!
MeWithを運営するMinds1020Lab(マインズテントゥエンティラボ)は、「なんとなく生きづらい」「心がモヤモヤする」と感じる10代・20代に寄り添いながら、心のはたらきについて研究しているチームです。
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心理学監修:横浜市立大学医学部 客員教授/中央大学文学部 教授 髙瀨堅吉
学生生活や人間関係など、若者が抱える悩みについて、心理学の視点から記事内容を監修しています。



